僕がさとりさんにしなくてもいい遠慮をしてしまって、さとりさんに悲しい思いをさせている。
 さとりさんがそんな不満を漏らしたのだけど、「僕の方なんてさとりさんが遠慮しているのか単にやりたくないのか分からないんだから、さとりさんこそこそもっと気楽に話しかけてよ」とか言い返しちゃって、じゃあどっちが悪いのかなんて喧嘩が始まったりする。互いにつまらないことをしてるって分かっているし、さとりさんに至っては僕が心の中で謝っているのを読めるはずなのに、「ちゃんと言葉で言って下さい」なんて言い出して収拾がつかなくなったり。謝るのは簡単だし、悪いとは思っているんだけど、ここで簡単に謝っちゃうのも一種の遠慮なのかなとかそんな風にまた考えが堂々巡りを始めてしまって、謝るに謝れない。さとりさん、そんな僕のこと分かってるんだから先に謝ってくれてもいいのに……。「私なんかに遠慮しないで、先に謝っていただいて結構ですよ?」 うわ、……じゃあ、さとりさんだって遠慮しないで僕に謝ってよ、そもそもさとりさんがつまらない遠慮するのが悪いんじゃないか。「つまらない遠慮なんて……。四六時中私に抱きつかれたりした、あなただって困るでしょう!?」 さとりさんだって、僕にずっと抱きつかれてたら困るだろ? しかも、抱きつきながらうなじの匂いを胸一杯吸い込むとかされたら嫌だろう? 「私だって、あなたの匂い好きよ!? でも、手だってあんまり繋いでくれないじゃない!? いちいち『さとりさんに悪いかな』とか思っちゃって、私のこと信用してくれないんですか!?」 だって繋いだら繋いだでさとりさん、困ったようなかするじゃないか。その位であんな顔されちゃ、ほっぺにちゅーとかしたらどんな顔されるかわかったもんじゃないよ。「それは、嬉しかったり恥ずかしかったりしているだけで、困ったりなんてしません!! あなただって、私がキスしようとしたら大慌てしたじゃないですか!? そんなに私とキスするのが嫌なんですか!?」
 以下、延々とこんな感じの会話が続きました。簡単にまとめると、互いにHなこととか触りっこだとかぺろぺろとかディープキスとか愛撫とかお風呂とか何かもう訳の分からないところまで行きました。結局僕のがさとりさんのお尻を開発したい、さとりさんのが僕の目玉を吸い出して食べたいと言った辺りで2人とも我に返って、そのまま仲直りできました。