2011-01-01から1年間の記事一覧

さとりさんと出会った時の話だ。

布団がもぞもぞと落ち着きなく動き出して、それでさとりさんが目を覚ましたのだと知れた。僕の方に体を向けて、僕が眠っていることを確認すると少しだけこちらに身を寄せた。

目を覚ましたのは暑さのせいだった。軽く汗をかいているのが分かる。布団を除けようとして優しい何かに手が触れる。ああ、さとりさんだ。

一夜明けたら大分落ち着いた。

さとりさんと触れ合えば触れ合う度に、さとりさんのことを何も知らないのだと思い知らされる。勿論聞けば話してくれるけれども、聞けば聞くほど自分の知らないさとりさんが見えてきて、さとりさんと僕との間にある時間や種族と言った様々な壁を感じずにはい…

さとりさんが溜息をついている。何か悩みでも? と聞くと笑って「そうじゃないのよ。ちょっと考え事をね」なんて言うものだから少し寂しくて、さとりさんばっかり僕の悩みを見通して、自分の悩みは一人で抱え込んじゃうとか、そんなの嫌だよなんて、つい声を…

さとりさんに甘えたい。恥も外聞もかなぐり捨てていい子いい子してもらったりとか、抱きしめてもらってむやみやたらに優しい言葉を掛けてもらったりとか、何かそういう子供染みた甘え方をしたい。

寝てるわけなんだけど意識ははっきりしていて、闇の中にネグリジェのさとりさんがそっとこちらに手を伸ばすのが見える。

僕がさとりさんにしなくてもいい遠慮をしてしまって、さとりさんに悲しい思いをさせている。

さとりさんが風邪をひきました。咳はないけれど熱は高く、お腹の調子も悪いみたいで地味に辛そうです。そんなさとりさんを放っておけるわけもなく、「どうせ寝てるだけなのだから大丈夫よ」なんて言うさとりさんを無理矢理看病することにしました。

今日は元旦で、地底の中心である地霊殿には客が山のように訪れる。それはつまりその分だけもてなす必要があり、僕は今台所で皿を出したり片付けたりと諸々の手伝いをしている。さとりさんは地霊殿の主として朝から訪問客に掛かりっぱなしで、いつもなら四六…